仮に誰かに「外壁塗装の順番をざっくり説明してみて!」と言われても説明に困るのではないでしょうか。
気が付いたら塗装が始まり、何日かしたら作業が終わる。
というより、相手が職人さん寄りの人だと専門用語バリバリで話してくるので意味が分からない可能性も低くありません。
こんにちは!管理人のぺいとんです。
2021年時点で築7年ほど経過した住宅に住んでいます!まだ少し先にはなりますが、いずれやってくるわが家の外壁塗装に備えて勉強をしている最中です。
建築や不動産の業界の人と多少関わりがあります。
でも、専門職ではありませんので立ち位置的には普通の人と近いです。
だから、よりかみ砕いて外壁塗装について説明していけると思っています。
今回は外壁塗装工事の作業工程についてです。
この記事は外壁塗装工事|見積・工程に関する疑問点。要点4つをまとめて解説!の「外壁塗装の具体的な手順」の項目を深掘りした記事です。
結論を先に述べてしまうとこんな感じです。
- 塗装工事のための準備:仮設足場・シート張り
- 塗装工事:高圧洗浄・下処理・塗装・雑塗装(+シーリング・防水)
- その他作業:金物交換など
- 塗装以外の工事(サッシ工事・エアコン工事など)
- 後工程:仕上がりのチェック・仮設足場解体・清掃
この記事はこんな人に読んでほしい!
- 外壁塗装の工程を知っておきたい
- 業者さんに任せきりは良くないと考えている
外壁塗装の手順・・・の前に電気と水道の話
それは作業に必要な電気や水道の利用料は入居者負担ということです。
そのため契約書等にも「水・電気の無償提供をお願いします」というような記載があるはずです。
一般的にリフォームでは電気と水はお客さん側が無償提供することになってるよ。
それらは結局のところ費用に上乗せされるだけです。
電気代も同じようなものだよ!
ここから先は外壁塗装の工程の解説になります。
外壁塗装工事の準備(前工程)
一言に外壁塗装と言っても事前の準備が必要で、いきなり壁なんかを塗り始めるわけではありません。
外壁塗装を含む建築関連の工事は、作業内容上危険も多く事前準備も大事な作業です。
だからある意味ではこの事前準備が最重要とも言えます。
建物関連で大掛かりな工事をするときは仮設足場を立てることがほとんどです。
仮設足場とは工事中の建物の周囲に組まれた金属製の作業台のことです。
さらにその周囲をシートが覆われているのですが、それがメッシュシートです。
言葉だけではピンとこないかもしれませんが、写真で見ると分かりやすいはず。
普段は気にも留めないでしょうが、街中で見かける機会は多いのではないでしょうか。
この仮設足場とメッシュシートについても順番に説明していきます。
仮設足場
仮設足場は読んで字の通り「仮に設置した足場」です。
(上の写真に写っているのが「足場とメッシュシートです)
作業をするためだけに建物の周囲に組まれて、作業終了後には片づけられます。
工事終了後には仮設足場は影も形もなくなります。
じゃあ勿体なくない!?
でも、これが無いと安全に作業するのは難しいんだ。
実際に外壁塗装の見積を取ってみると分かりますが、この足場の費用って結構馬鹿になりません。
一般の住宅で外壁塗装をするときには恐らく20万円近くは見積に計上されてくるはずです。
だから足場無しでできるならそれに越したことはない、と考える人もいるのですがそんなことはありません。
足場にはいくつかの役目があります。
- 安全性の向上
- 作業効率の向上
- 作業精度の向上
まず何よりですが、足場があることで高所からの物や作業員が落下する危険性を低減することを最大の目的としています。
足場がないと高所での作業は危険を伴います。
周囲に足場がない状態での作業は常に落下の危険性を意識することになるので、塗装作業に集中することが難しくなります。
それによって作業の効率や精度が下がるのでいいことがありません。
作業効率が下がれば、人件費がかさむので結局費用が掛かります。
さらに作業精度が下がっているので、何年か経ったときに何かしらの不具合を発生する原因にもなりえます。
試してもらうと分かりますが、脚立に長時間立っていることができるでしょうか。
ちなみに私はできません。
足場無しということは「塗料の缶や作業道具を持ったまま、2~3階の高さで何時間も作業をしてね」ということになります。
このような理由から結局のところ最終的には割高になってしまう可能性が高くなるので、足場無しでの作業は検討に値しません。
塗装工事をするためには足場設置は本当に大事な作業といえます。
メッシュシート張り
足場の周囲に張ってあるシートがメッシュシートです。
このメッシュシートは作業によって発生する塗料や水の飛散を防止することを目的としています。
これが無いと万が一何かを落とした場合、そのまま足場の外側に落下して人にぶつかる可能性が高くなります。
このシートがあるから絶対に大丈夫というわけではありませんが、シートによって落下事故が提言されていることは間違いありません。
また、作業中に発生する塗料のはねや洗浄の水しぶきなどが近隣に飛ぶことによるトラブル発生を低減してくれます。
トラブルの可能性や後々のことを考えればこれも絶対に必要な準備だと言えます。
塗装工事作業工程
ここからが外壁塗装の実作業になります。
ざっくり言ってしまうと「建物を洗う・古い物を除去して塗る」というのが外壁塗装です。
しかし、それらを工程ごとに説明していくと意外と色々なことをやっています。
順番に内容と目的を解説していきます。
高圧洗浄
高圧洗浄は「洗う」に該当する作業です。
水に圧力をかけ、その水圧で汚れを洗い流します。
目的は長年雨風にさらされて付着・発生した汚れやコケ・藻などを除去すること。
これらの除去が中途半端だと塗装をしたときに、塗料がきっちり建材に付着しない可能性があります。
その結果、短期間での剥離などの不具合が発生することになります。
また、高圧洗浄にも種類があります。
種類は以下の通り。
- 高圧洗浄
- トルネード洗浄
- バイオ洗浄
一般的に提案されるのはただの高圧洗浄です。機械で圧力をかけた水を吹き付けて汚れなどを洗い落とします。
圧力はかなりのもので、普通の汚れであればこれで十分に洗い落とすことが可能です。
しかし、汚れの程度が酷い場合には噴出される水が渦を巻いているトルネード洗浄や、薬剤を塗布した後に洗い落とすバイオ洗浄をすることもあります。
これは汚れ具合に左右されますので、業者さんの話をよく聞いて選択すると良いでしょう。
同じ洗い落とす作業でも、費用にも差があります。
汚れの程度が軽いのに費用の上がるバイオ洗浄を選択する必要はありません。
また、洗浄後はきっちり乾燥させることが必要です。
乾燥しきっていないと塗装の建材への付着が甘くなったり、その後不具合を生じる可能性があります。
下地処理
塗装をする前に塗装面を処理することは非常に重要です。
いかに塗装をキレイに仕上げたとしても土台となる塗装面がガタガタではすぐに塗装がダメになってしまう可能性が高くなるというのが理由になります。
外壁塗装において実際に行う下地処理とは以下のようなものを指します。
- ケレン
- 亀裂補修
- 既存シール撤去
順番に解説するよ!
ケレンは既存塗装の剥がれや張り付いた汚れ・サビなどをこそぎ落とす作業のことを指します。
ヤスリや皮スキと呼ばれる道具を使い、壁などの表面をなぞっていきます。
亀裂補修は地震などで建物に発生したひび割れを塞ぐ作業です。
セメントやモルタルを用い、亀裂を塞いでコテでならします。
塗装でひび割れが埋まるわけではないので、この作業を省くと亀裂から雨が侵入して建物が傷みます。
既存シール撤去はシーリング(コーキング)と呼ばれる目地などを埋めている樹脂を撤去する作業を指します。
作業は既存のコーキング(シーリング)材をカッターなどを利用して剥していきますが、この際に周囲を傷つけないように作業する必要があるため見た目よりも難しい作業です。
失敗すると漏水の原因になるので熟練の技が必要だよ!
塗装同様シーリングも経年劣化を起こすので、必要に応じて新しくする必要があります。
シーリング処理・防水工事
次にシーリング処理や防水作業です。
シーリング処理は先ほど撤去したシーリング材を新たに目地に詰めていく作業になります。
コーキングガンと呼ばれるシーリング材を一定量ずつ打ち出す道具を使って目地にシーリング材を充填していきます。
作業風景を見ていると一見簡単そうに見えますが、以上に熟練を要す作業です。
素人が真似をしようとすると周囲を汚してしまい落とすのに大変な労力を要します。
シーリングは乾くまでは触ってはいけません。
乾燥前に触ると周囲を汚してしまったり、打ったシーリングの形(見栄え)が悪くなってしまいます。
防水工事はベランダや屋上のような建物外部に平坦な部分がある家で発生する工事です。
表面に液体状の薬剤を塗布、もしくはシートを張り付けて処理をします。
とはいえごく普通の家ではベランダくらいしか施工しないケースも少なくないので、一般家庭の外壁改修工事ではおまけに近いニュアンスになります。
養生
下地処理が終わったらいよいよ塗装!・・・と言いたいところですがまだ準備が必要です。
窓まわりや玄関先、換気ガラリなど塗装時に汚してはいけない部分にビニール(マスカーなど)をかぶせて保護します。
これだけ聞くと大した話に聞こえないかもしれませんが、建物全体の養生をしようとすると結構な労力がかかります。
外壁塗装
下処理・養生を経てようやく本題、メインの塗装に入っていきます。
ここで最初に覚えておきたいのは塗装の基本は3回塗り重ねるということです。
正確に言うと下塗り材を1回、塗料で2回の計3回です。
まずは下塗りです。
下塗り材は塗料の接着をよくすること・塗装の仕上がりを良くすることを目的としています。
下塗りをしないと塗料自体が建材に染み込むことによるムラが発生したり、建材自体を傷める可能性が発生するので省くことはあり得ません。
また、建材の劣化が激しい場合は下塗り材をも建材が吸ってしまうこともあります。
その場合は下塗り材を塗り重ねます。
中塗り・上塗りは選定した塗料で塗っていきます。
この際に業者によっては中塗りと上塗りの色を変えることがあります。
これは色を変えることで塗り漏らしを防ぐことを目的にしています。
しかし、逆にムラになるからと全く同じ色で塗る業 者さんもいます。
業者さんの話を聞いて納得できる方を選択しよう。
屋根塗装
外壁塗装をする際には足場が必須であることを先ほど説明しました。
そして外壁同様、屋根の作業も足場が必須です。
どちらの工事にも足場を必要とするので別々に作業をするよりもまとめて工事してしまった方が経済的です。
だから外壁塗装と言えば屋根の塗装もセットで行うことが多いです。
普段見えない部分なので屋根が傷んでいるというのがピンとこないかもしれません。
でも、屋根というのは建物の中で最も直射日光が当たり、最も過酷な環境に晒されています。
だから壁なんかよりも傷んでいることも少なくありません。
傷みが激しい場合は屋根の塗装はできず、葺き替え(ふきかえ:新しい屋根に交換)をすることもあります。
塗装の場合の工程は壁同様下塗り・中塗り・上塗りと行っていきます。
付帯部塗装(雑塗装)
付帯部というのは壁や屋根のような大がかりでない、その他の細かい塗装のことを指します。
付帯部の代わりに雑塗装と呼ばれることもありますが、表現が変わっただけで同じ内容です。
具体的には以下の様なものは付帯部の塗装として扱われます。
- 雨どい
- 雨戸・戸袋
- シャッター
上記は一例です。
建物は千差万別なので、家毎に塗装が必要な場所がちょっとずつ変わります。
その他工事(金物交換など)
塗装以外にも細かい工事があります。
例えばですが「雑金物交換」という項目があったりします。
何を指しているかというと、「雨どいを固定している金具」などが経年によるサビてしまっているときに、塗装ではなく金物自体を交換することを雑金物交換と記載しています。
この場合はサビが出にくいステンレス製に変えることが多いです。
塗装以外の改修工事を検討している場合は塗装業者と事前に打ち合わせる
建物の年数が経過したときに、劣化から建物を守るために塗装工事を行うわけですが、それ以外の工事をまとめてするということも考えられます。
その場合は塗装以外の工事を希望していることを事前に相談すると良いでしょう。
後から言われても業者も困ってしまいます。
下記は外壁塗装と一緒にすることのある工事の一例です。
- サッシ工事(2重窓など)
- エアコン交換
- 太陽光パネル
- ベランダ増設
これらの工事は外壁塗装と同様。作業に足場が必要なことが少なくありません。
どうせやるならまとめて作業したほうが都合が良いし、足場代も浮くので経済的です。
ただし別業者を入れることになるので、よく打ち合わせをする必要があります。
塗装業者も自分の関わらない工事のためにいつまでも足場を設置しておくことはできません。
時間のかかる工事となると塗装業者も困ってしまうかもしれません。
だから長く掛け続けるのは業者さんも辛い・・・
その場合は最初から塗装業者だけを請け負っている業者ではなく、リフォーム工事全般をまとめて請け負ってくれるリフォーム専門店のようなところへ相談するほうが話は早いかもしれません。
本体工事(塗装)後工程
外壁や屋根の塗装が終わり、その他関連する作業が終了すると本格的に終わりが見えてきます。
でも、まだ終わったわけではありません。
仕上がりチェック(だめチェック・だめ工事)
今までの作業を最終的にチェック・修繕していきます。
まずは業者さんの方でチェックをします。
チェックした際に、施工の良くない部分を発見した場合は手直しします。
手直しをだめ工事と呼んだりします。
この「だめ工事」が終わると業者さんから声が掛かります。
お客さんに対して全体の仕上がりを見てもらうのです。
もし気になるところがある場合は指摘して修繕して貰いましょう。
メッシュシート撤去・足場解体・周囲の清掃
このときには設置時同様それなりの音がします。
キレイになったあなたの家を堪能してください!
まとめ:外壁塗装の全体工程・作業手順
作業工程のまとめになります。
外壁塗装とそれに付随する作業は以下の通りです。
- 塗装工事のための準備:仮設足場・シート張り
- 塗装工事:高圧洗浄・下処理・塗装・雑塗装(+シーリング・防水)
- その他作業:金物交換など
- 塗装以外の工事(サッシ工事・エアコン工事など)
- 後工程:仕上がりのチェック・仮設足場解体・清掃
知識が無いと外壁塗装をただ塗るだけと思ってしまいがちかもしれません。
でも、今回の話を見て頂いた方にはその「ただ塗る」までに本当に多くの準備が必要なことがおわかり頂けたんじゃないかな、と思っています。
逆に言うとこれほど多くやることがあるので、作業は簡単に終わりません。
天候にもよりますが作業工程は約2週間は掛かります。
今回は以上になります。
今後も色々と解説を頑張っていきますのでお付き合い頂けたら嬉しいです。
次回もよろしくお願いします!最後までお読み頂きありがとうございました!
この記事で覚えておくこと!
塗装を始めるまでにも様々な作業がある。
その他の工事を希望するなら、ちゃんと業者と打ち合わせをする。
外壁塗装の全体工程は一般的な住宅で2週間が目安