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何故できる?外壁塗装の大幅値引きが可能となる仕組み

外壁塗装について調べていると、ネット上では他社と比較して安いことを売りにしている業者さんが少なくありません。

安すぎる見積は危険!|外壁塗装で業者選定で失敗しないための注意点という記事で解説していますが、相場と比較して異常に安い見積は危険だという説明しました。
外壁塗装というものは値引きができる項目がそう多くなく、相場からかけ離れて安価な金額を提示できる業者さんは大きな値引きができる「理由」を用意しています。

 

こんにちは!管理人のぺいとんです。

2021年時点で築7年ほど経過した住宅に住んでいます!まだ少し先にはなりますが、いずれやってくるわが家の外壁塗装に備えて勉強をしている最中です。

建築・不動産の業界人と多少の関わりがありますが、私自身は専門職ではありませんので立ち位置的には普通の人と近いと思っています。
だから、よりかみ砕いて外壁塗装について説明していけると考えています。

 

今回は「大幅な値引き」についてです。

そもそも業者さんが会社を運営していく上で必要な適正な利益を確保した程度の金額から大幅な値引きをするのは不可能です。その理由の解説と大幅な値引きをする会社がどんな会社なのかを解説していきます。

 

結論を先に述べてしまうとこんな感じです。

  • 過度に値引ができる業者さんには注意が必要
  • 提出見積が適正の利益のものであれば大きな値引きは難しい
  • 業者側は手段を問わなければ値引はできる
  • DIYで金額を落とすのは難しい
このあと具体的な解説に入っていきますので、ぜひお付き合いください!

 

この記事はこんな人に読んでほしい!

  • とにかく安い外壁塗装業者を探している。

 

 

建築業界の商品は完成品ではない

安い外壁塗装業者を探す前に1点知って欲しい事があります。
そもそも外壁塗装を含む建築業者がユーザーに提供する商品は、一部を除いて完成品ではないということです。

新築住宅であればお客さんから依頼を受けて初めて「住まい」という商品を作り始めます。
建売というすでに完成された商品もあるにはありますが、建物を提供するという仕事の中ではサービスの形の一形態でしかありません。

 

修繕やリフォーム、リノベーションと呼ばれる工事も同様です。(外壁塗装もここですね!)

経年劣化した「住まい」という既製品を元に近い形に戻したり、新たに作り変えたりする作業を指しています。
やはりこちらも依頼を受けて初めて「工事」というサービスを提供するため事前に完成した商品があるわけではありません。

他の商品・サービスと比較して業者や金額の差が分かりづらい理由がこれです。
よく「合見積もり」を取りましょうと言われているのはここから来ています。

 

外壁塗装工事を構成している要素

契約して初めて商品を提供するというのは、外壁塗装においても変わりません。
やはり依頼後初めて塗装した家という商品を提供します。

では外壁塗装という商品はどんな内容で構成されているでしょうか。
外壁塗装の金額を決める要素は、およそ以下の通りです。

  • 人件費
  • 材料費
  • 外注費

 

人件費は人に掛かってくるお金。
要は職人さんに支払うお金で人工(にんく)と呼ばれたりするものです。

職人さんを1回(1日)呼べば、2~3万円程度掛かります。
これは地域や職種、職人さん提示金額などで変動するため一律でいくらというものでもありません。

 

材料費は外壁塗装やコーキング処理に使う部材が主です。

この中で金額のウェイトを占めているのは塗料とコーキング材です。

塗料は建物の外周部を広く塗っていくのでイメージはしやすいですよね。
逆にコーキングは一見すると面積自体は広くないのでイメージが付きづらいのではないでしょうか。

 

コーキングの使用量は面積(平方メートル)ではなく、長さ(メートル)で算出します。
例えば窓ですが、窓は四方の壁の取り合い部にコーキングを打ちます。

仮に幅1,800mm(1.8m)、高さ1,200mm(1.2m)という窓がある場合、周囲をぐるりとコーキングを打つとそれだけで6,000mm(6.0m)になります。

 

ぺいとん
上と下で1.8m×2=3.6m
左右で1.2m×2=2.4m
合計で6.0mですね。

窓を1つ取ってもそれだけの長さのコーキングを打つことになるわけですが、普通の戸建には結構な数の窓がありますよね。
多分あなたの家にも20か所前後あるのではないでしょうか。

それにコーキングを打つ場所は窓まわりだけではありません。
換気ガラリのような外壁にある金物の周囲もコーキングが打たれていますので、合算するとかなりの量のコーキングが必要になります。

 

次に外注費です。
建築業界は作業内容によって細かく分業化されており、各作業に専門職が存在します。
大工さんや水道屋さん・電気屋さんあたりはイメージしやすいと思います。

これは外壁塗装でも同様で、塗装屋さんのみで全ての作業を完結できることはそう多くありません。
もちろん仮設足場なども含めて全て済ませてしまう多才な塗装屋さんも居ないわけではないですが、本当にごく少数です。

 

ぺいとん
外壁塗装に関連する業種だと「塗装屋」「足場屋」「コーキング屋」「防水屋」「板金屋」「屋根屋」と呼ばれる人たちが関わっていたりしますよ!

 

 

価格を下げるには何かを削るしかない

先ほどの項では外壁塗装の価格を構成する要素を解説しました。
次にあなたや私が必要としている情報、価格を下げるために必要な要素についてです。
といっても価格を下げるといってもできることはそう多くはありません。

 

ぺいとん
だから大幅な値引をできる業者さんというのは危険で、注意を払う必要があります。

 

実際にお客さんに対して値下げをするためには業者さんは原価を下げないといけません。
基本的には先ほど紹介した「材料費」「人件費」「外注費」のいずれか、あるいは全てを削ることになります。

 

まずは材料費
規模の大きな業者さんであれば数多くの受注があるため、問屋も材料を安く卸すことができます。
いわゆるスケールメリットというやつです。
大量に依頼の見込みが立つのであれば問屋さん側は単価を多少下げてでも、その業者さんと仲良くしておきたいというのはごく普通のことですよね。
だから大きな会社は基本的に材料を安く仕入れやすいというは間違いありません。

 

次に人件費
これは逆に会社の規模が大きくなるほど増加傾向にあるかと思います。
というのも親子でやっているような個人経営であれば、人件費は本人たちのさじ加減一つ。
下げようと思えばいくらでも下げられます。
もちろん下げれば下げる程仕事を請け負った本人は苦しくなりますが、数を多くこなすことで帳尻を合わせるという考えの業者さんも居なくはないです。

 

逆に会社の規模が大きくなるほどそれは難しくなります。
社員の人件費を不当に下げる事はできませんし、働いて貰う量にも限度がありますよね。
また、会社であれば実作業をする人だけでなく、事務をこなす人の給与分の上乗せもあるでしょう。会社組織である以上、社員に掛かる経費が多く存在します。
また、大きな会社ほど広告宣伝にもお金を掛けていますので、それらも見積価格に反映されていると考えるべきです。

 

ただし規模の大きさを・知名度を上手く利用して「受注量を増やし1契約あたりの単価を下げる」、そんな戦略を取る会社も当然あります。
そのため一概に大きい会社=高いは言い切れないので難しいところです。

 

ぺいとん
とはいえ規模が大きいところはやっぱり高い傾向にあります。

 

最後に外注費
仮設足場なんかがそうですね。
材料費同様、依頼が多くある依頼元に対しては値段を下げてくれる傾向にあります。
というより「たくさん依頼しているのだから単価をさげてくれ」という交渉が入りますし、実際に依頼量が多ければ交渉が受け入れられやすいです。
その場での利益よりも、(多少薄くても)先々までの安定してあるであろう利益の方が魅力的と考えた結果ですね。

 

いわゆる元請け・下請けの関係ですが、元請けだから一方的に強いと言うわけではなく、先々まで安定した仕事を下請けに出せるというのが必要な前提条件です。
これが無ければ下請け側も言うことを聞く理由がありません。
だから元請け側も仕事を切らさないように日々集客に力を入れていく必要があるわけです。
とはいえこのようなやり取りは当たり前の話で、他社と比較した際にこれで劇的に金額が下がるかと言えばそうではありません。あくまで相場よりも割安になるといった程度です。

 

さて、ここまで価格を下げるために行っている工夫について解説してきました。
業者はこのような積み重ねを繰り返すことで価格を下げる工夫をし、他社に負けないように日々頑張っているわけですが、その中でも飛び抜けて安い業者というのが存在します。
その会社が他には無い画期的な方法で値段を下げている可能性は否定できませんが、多くの場合はそうではありません。
次はその手法の解説をしていきます。

 

良くない業者であれば金額を落とす手段はある

ここまで外壁塗装の価格にはどのようなモノが含まれているか、そして業者さんがどのような形で原価を下げる努力をしているかを解説してきました。

ここでは一部の業者がしていると言われる原価を下げる手法について解説します。
下記の内容がその手法です。

  • 塗料の水増し
  • 塗料の製品を変える
  • 塗る回数のごまかし
  • コーキングのごまかし
  • その他(高圧洗浄・乾燥時間など)

順番に解説していきます。

 

まずは塗料の水増しについてです。
外壁塗料に使われる塗料は、もしくはシンナーで希釈をして使用します。
どちらで希釈するかは水性・油性という分類で変わります。

希釈をどの程度すれば良いかはメーカーから指定があるのでそれに沿って行われることになります。

一例で日本ペイントのパーフェクトシリーズを参考に解説します。


日本ペイントより引用

上の図だと細かくて見えないと思うので更に「希釈」の部分を下に抜き出します。

 

 

これではっきり見えますよね。

どこに何を塗るかで希釈に何を使うか、希釈率は何%かが指定されています。
これを適正に守ることで製品の正しい機能を発揮するわけですが、後の事を考えなければ希釈する比率を上げることで塗料の使用量は少なくなるし、粘度が下がるため作業効率も高くなります。

つまり材料費が下がる上に、作業がしやすいので短時間で仕上がることで人件費も少なくなるということです。もちろん塗料の持ちは悪くなるので私たちお客さん側からすれば絶対に避けたい事態ですが。

 

次に製品そのものを変えてしまう手法です。
塗料は塗ってしまえば素人目には何を塗ったかなんて分かりません。
だから事前に話していたモノよりもグレードの低い材料を使うということも可能になってしまいます。

これを防ぐには常に作業を見張る位しか方法がありませんが、職人さんが塗っているところに張り付いて監視するなんてことは現実的ではありません。

 

ぺいとん
ちなみに役所の工事なんかだと、業者さんに作業した際に発生した塗料の缶の写真を作業報告書として提出させたりするよ!

 

次は塗る回数のごまかしです。

外壁塗装で下塗りを含め3回重ね塗りすることが基本ですが、3回ではなく2回で済ませてしまうというやり方です。

非常に残念ですが「希釈の水増し」同様、塗り終わってしまうと見た目にはわかりません。
気がつくのは問題が出始める数年後、その頃には業者に指摘することも難しいでしょう。

 

次にコーキングです。

コーキングには打ち替え増し打ちの2種類存在します。
打ち替えは悪くなった既存のコーキングを一度撤去して新たに打ち替える方法です。
増し打ちは既存のコーキングの上から被せるように打っていく方法です。

 

外壁塗装をする際に行うコーキングは打ち替えをすることが基本とされています。
しかし、材料や手間の削減をするために増し打ちで済ませてしまう業者さんも存在します。

このように解説すると増し打ちが悪い手法のように聞こえてしまうかもしれませんが、そうではありません。

実は増し打ちもコーキングをする場所によっては適正な処置だったりします。

 

その場所というのは主に窓まわり。
窓まわりのコーキングは下手に撤去をすると、撤去時に外壁の裏側にある防水シートを傷つけてしまう可能性があります。

そのような危険を犯さないために窓まわりはコーキングを増し打ちで済ますのは普通です。
逆に言うと外壁塗装時にするコーキングの大半は打ち替えになります。

これを見積時には打ち替えで提出しておいて実際には増し打ちでごまかすということです。
仕上がってしまえばパッと見では分からないため、塗装同様数年後に問題が発覚することになります。

 

最後にその他のごまかしです。
作業の際に適切な時間を置かずに次の作業を進めてしまうことで工期短縮し原価を下げる事があります。

例えば高圧洗浄。
キッチリ建物全体を洗浄しようと思えば結構な手間になりますが、サッと全体を洗う程度であれば結構な手間の削減になります。さらに塗装するためには外壁をしっかり乾燥させないといけませんが、それを無視すれば工期の短縮自体は可能です。

塗装時も同様です。
塗り重ね前にはすでに塗った塗料が乾燥していないといけないわけですが、それを無視すれば重ね塗りすることは可能です。

 

これらは時間の短縮、つまり作業者の手間・工賃の削減には繋がります。
しかしそれと同時に仕上がりの質は低下するので私たち消費者側には絶対に受け入れられない話です。

これらの問題を避けるためには「信頼できる業者に依頼する」というのが現実的な対応策になります。

 

 

部分的にDIYしても価格を下げることに繋がらない

業者さんの価格を下げる日々の努力にも限界があるのであれば、自分で作業をできるところを作業してしまうことで実質的に費用を下げることができるのではないかと考えてしまうこともあるかもしれません。

でも、これについては「正しい知識がある人」以外はやめておいた方が良いというのが結論になります。その理由は以下の通りです。

外壁塗装のDIYをおススメできない理由

  • 安全性が低い(危険である)
  • 作業精度が低く、品質が悪い
  • 最終的なコストが安くなるとは限らない

 

外壁塗装を含む建築に関する仕事は非常に多くの危険を伴います。
プロであっても工事現場ではKY活動と呼ばれる行動をして、事前に危険を察知して不測の事態が発生しないようにすることを心がけるようにしています。

また、素人の作業では作業精度は悪く品質が高くなる可能性は低いです。
さらに作業をするためにはある程度作業道具を揃える必要があり、コストも本当に下がるかといえば微妙なところです。

これについては失敗で損失大!|外壁塗装でDIYがオススメできない3つの理由という記事で解説していますのでご参照下さい。

 

 

まとめ:外壁塗装の大幅値引きが可能となる仕組み

まとめになります。
今回は外壁塗装における「大幅な値引」について解説してきました。

 

この記事の結論は以下の通りです。

  • 過度に値引ができる業者さんには注意が必要
  • 提出見積が適正の利益のものであれば大きな値引きは難しい
  • 業者側は手段を問わなければ値引はできる
  • DIYで金額を落とすのは難しい

業者さんが値引をするためには「材料費」「人件費」「外注費」のいずれかを削減しなくてはなりません。

材料については仕入れを多くできる業者さんは問屋さんに対しての交渉が強い傾向にあり、値段を下げやすくはあります。
逆に人件費は規模が大きい会社ほど様々な経費が掛かる傾向があり、外注費については発注量がモノを言いますのでやはり規模の大きい会社が有利な傾向があります。

このように業者によって強い点弱い点がそれぞれあるので、一概にこの業者さんが全て良いという風には中々なりません。総合的に見て相場の範囲で安いか高いかを考える必要があります。

 

しかし、良くない業者さんであれば話がかなり変わってきます。

  • 塗料の水増し
  • 塗料の製品を変える
  • 塗る回数のごまかし
  • コーキングのごまかし
  • その他(高圧洗浄・乾燥時間など)

これらの手法を使ってむりやり原価を下げることで周囲の業者よりも安い金額を提示することが可能になってしまいます。

塗料やコーキングは決められた手法を無視すれば必要量よりも大幅に少ない量で作業を終えること自体は可能だからです。

高圧洗浄や塗料の重ね塗り時の乾燥時間を無視してしまえば人件費も抑える事が可能になってしまいます。

もちろんこれらの手法は品質低下に直結しますがその場ではわかりません。
数年後に問題が発覚することになるでしょう。

 

これらの問題を避けるには結局の所、適正な価格で仕事を請け負う真っ当な業者さんを選ぶという結論になります。

 

最後にDIYについて。
業者さんに頼らず「自分でできる所を自分で何とかする」ことで出費を減らそうとする気持ちは痛い程分かりますが、結論としてはオススメできません。

作業をするために道具や材料を揃えるだけでも結構な出費を伴いますし、それで上手く作業ができるとは限らないからです。さらに作業が上手くできないだけでなく危険も伴うため余程知識・経験があるのでなければ止めておくのが無難です。

 

今回は以上になります。
今後も色々と解説を頑張っていきますのでお付き合い頂けたら嬉しいです。
次回もよろしくお願いします!最後までお読み頂きありがとうございました!

 

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