外壁塗装は普通の人にとって金額が小さな工事ではありませんよね。
専門的な内容も多いので、プロだから大丈夫だろうと業者に任せきりという人も少なくありません。
でも、それって良いことではないんです。
家というのは自分の大事な財産です。
今後も何年、何十年と生活するためにと100万円前後(もしくはそれ以上)もする外壁塗装を依頼するならば、任せきりではなく自分でもそれなりに外壁塗装について知っておく必要があると思いませんか?
こんにちは!管理人のぺいとんです。
2021年時点で築7年ほど経過した住宅に住んでいます!まだ少し先にはなりますが、いずれやってくるわが家の外壁塗装に備えて勉強をしている最中です。
建築や不動産の業界の人と多少関わりがあります。
でも、専門職ではありませんので立ち位置的には普通の人と近いので、よりかみ砕いて外壁塗装について説明していけると思っています。
今回は塗装業者とのトラブルについてです。
塗装に限らず建築に関わる工事はトラブルが発生する事が少なくありません。
業界的には「クレーム産業」と揶揄(やゆ)される程度にはクレームの多い業界です。
その理由は大きな音が発生したり人の出入りの多さなど、周囲に与える影響が大きいことが理由です。
もともとクレームが多い業界ではありますが、近年その件数が増加傾向にあると言われています。
事実、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの公開しているしている資料からそれは明らかです。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター 「相談件数の推移」より引用
もちろん普通の業者であればクレームが限りなく少なくなるように仕事をしてくれます。
でも、それで絶対に苦情が起きないかと言えばそんな事はありません。
苦情が増加した背景には業界的には若い人材の不足があるとも言われているので、全て悪質業者が理由だとは言えないのではないでしょうか。
かといって消費者である私たちには、言ってみれば業者側の人材不足は関係ありません。
大事な家をきっちり依頼通りに仕上げてくれればそれで良いわけです。
でも、こちらも知識が無ければ相手のミス・手落ちも気がつくことができませんよね。
だから自衛のためにも必要な知識を習得しておく必要があります。
では実際に起こりえるトラブルはどんな感じでしょうか。
先に結論だけ述べてしまうとこんな感じです。
一括見積サイト:一括見積サイトが一律に悪いわけではない
話の行き違い:業者さんに任せきりにしない
工事に起因するトラブル:未然に防ぐ、発生しにくいようにする
とはいえ消費者側が事前に相応の知識を備えていないと対応もしようがないですよね?
だから私はお願いするお客さん側もある程度は知っておくべきだと考えています。
そんな訳で今回もきっちりまとめて行きますので、どうぞお付き合いください!
本記事は最初は何から?|初めての外壁塗装。見積前に知っておくべき基礎知識!で記事のなかで解説した「外壁塗装をする上でよくあるトラブルを知っておこう」という項目をについてさらに踏み込んで解説していく記事です。
この記事はこんな人に読んでほしい!
- 外壁塗装をするのにどうすれば無事に終えられるか知っておきたい
- 一括見積サイトってどうなの?と感じている
業者とのやりとりで発生するトラブル
外壁塗装で発生したというトラブル事例は多種多様です。
でも、事例をを見ていると大別して2つに分類できると感じました。
- 業者とのやりとり上で発生するトラブル
- 工事中・工事後に発生するトラブル
大きく分けるとこの2つです。
具体的な内容は順番に解説するね。
まずは業者さんとのやりとり、つまり契約に関わることで発生する(した)トラブルです。
これは営業さんとの会話や打ち合わせによって発生するトラブルです。
訪問営業(飛び込み営業)
外壁塗装に関連するトラブルでなんと言っても多いのが訪問営業でした。
訪問営業は昔からありますが、こと外壁塗装で言えば手法は2つに別れます。
「不安」を煽るか、「お得感」を時間制限を付けて煽るかです。
まずは強引に契約を迫ったり不安を煽る商法です。
- 押し売り商法
- 壊れてるよ商法
押し売りは言葉の通り、断れない気弱な人相手に「売れるまで帰らない」と言ったり、繰り返し何度も訪問したりしてなかば強引に契約を取り付ける売り方ですね。
力づくの手法ですが、ある程度効力があるため無くならないのでしょう。
次に壊れてるよ商法。
壊れてるよ商法っていうのは勝手に名付けました。
この手法は、「近くで工事してたらお宅の屋根が壊れているのが見えました」などと言って、家のチェックをしますよといって近づいてくる手法です。
なんとなく良い人そうな雰囲気を出していますが悪質な業者の場合、中に入ってから見えない部分を壊して「ここが壊れてる」といって嘘を言ったりするので注意が必要です。
壊れているのが心配なのであれば自分自身で呼んだ業者に見てもらう方が良いでしょう。
次にお得感を時間制限付きで煽る方法
- キャンペーン商法
- モニター商法
- 足場無料
- 近くでやってたから商法
期間限定などの理由を付けて「よりお得」であること、そして「今だけ」ということを強調して契約を急がせる手法です。
時間を掛けてじっくり検討をさせないことを目的としています。
なぜならお得感をだしていても実際には総額は相場と変わらなかったり、むしろ高かったりするので他と比較をされては困るからです。
だからキャンペーンやモニター・足場無料ということを期間限定でやっているといったり、近くで工事しているから今だけ安くできるという言い方をしてきます。
これは心理学で言うところの希少性の原理という、限られた物(状況)に人は惹かれるという心理を利用したテクニックの1つです。
このような時間を区切ってくるような手法を使ってくるような相手の場合、どうしてそんなことをしてくるのかを考えてみればどんな意図が隠れているかが理解できるのではないでしょうか。
飛び込み営業の対策
そもそも飛び込み営業では契約しない
飛び込み営業でのトラブルについては、もう少し深く解説した外壁塗装でのトラブル最多!?しつこい飛び込み営業の手法とその対策という記事もあります。
よかったらこちらもどうぞ!
一括見積サイトの利用で発生したトラブル
一括見積サイトを利用したことで起こりえるトラブルです。
一括見積サイトのメリットは手軽に複数の見積を取ることができるということですが、逆に考えれば一度に複数の業者とやり取りしないといけないということでもあります。
外壁塗装の見積を取るということは、自分の家(現地)を塗装業者に見せて金額を算定して貰うということです。
普段そんなことをする機会はそうあるものでもないですよね。
1社応対するだけでもそれなりに手間がかかると感じるはずです。
そんな不慣れな状況でやっと複数の業者から提出された見積を見比べてみたら金額が全然違う、そもそも記載されている内容が分からないなどの理由で単純に「一番安かった」業者に決めてしまうということもよくある話です。
- やってほしい作業や使う塗料などは各業者に統一してもらう
- やってくる業者はどんな会社かを調べる(評判や実績)
一括見積サイトが悪い一律に悪いというわけではなく、あくまで玉石混交で微妙な業者も混じっている可能性があると言うことです。
それを見分けるのは利用する側、つまり私たちです。
一括見積サイトのトラブルについては外壁塗装|一括見積サイトでよくあるトラブルと対策方法を徹底解説!で詳しく解説しています。
こちらもぜひ読んでみて下さい!
一括見積サイトを利用するなら
やっぱり自分自身も知識が必要
契約業者との作業外のトラブル
契約をした後でも業者さんとのトラブルが発生することはあり得ます。
理由はお互いの様々ですが「業者さんの説明不足・お互いの思い込み」などが理由であることも少なくありません。
契約前もそうですが、契約後でもトラブルの種は眠っています。
- 契約解除の違約金(クーリングオフ)
- 追加請求
- 言った言わない
お金の工面など、不測事態で解約をしないといけないなんてこともあり得る話ですよね。
全くの手つかずであれば事情を話せば、相談に乗ってくれるものですが全ての業者がそうだとは限りません。
むしろ解除をさせないためにクーリングオフ対策として違約金が発生するように契約してくるということも考えられます。
もちろん契約後、時間が経ってからでは「塗料や足場、人の手配など」で費用が発生しています。
そんな状況で解除といわれても業者側も困ってしまいます。
すでに発生したお金がある場合は協議が必要でしょう。
とはいえすでに工事に入っている状態での解約は無理があるので、相談は可能な限り早くするべきですね。
また、塗装工事に限らずリフォーム全般で予想外の工事というのは発生する可能性がゼロではありません。
理由は見えない部分が必ずあり、その部分は「想定」で見積をするからです。
でも、余程年数が経っているとか、すでに雨漏りしているとかでなければ可能性は低いんだ。
例えばですが壁の中など目に見えない部分は、見積のためとはいえ剥がして見るわけにもいきません。
だからその部分は「想定」になります。
それがすでに「雨漏りをしている」という状況などでは、どこまで建物が傷んでいるかは想像がつきません。
そんな場合は業者さんと相談しながら金額と修繕の方向性を決めていくことになります。
だから見積には「見積外の作業について」などの注意書きが書かれていることがほとんどです。
見積はできる限り詳細に書かれていることが望ましいです。
例えば「塗料は何を使う」「壁は何回塗る」などです。
逆にどこは「塗らない」なども重要ですね。
このような取り決めを何となくや口頭でやりとりしていると、いわゆる「言った言わない」のトラブルになる可能性があります。
お互いに記憶を頼りやりとりをしていると「言ったつもり・言ったはず」が出てきますので相手に対して不信感を持ってしまう可能性があります。
塗装を含むリフォーム工事全般ではお金が絡むところは必ず書面でのやりとりをするべきです。
それ以外にもそもそも「相場を無視したぼったくり価格」なんて事もありえます。
でもこれも事前に自分で情報を集めていたり、複数の業者から見積を取ることで回避することは可能です。
作業外のトラブル対策
「やること」「やらないこと」の書面化
気がつかないうちに業者さんのやる気を削ぐ行為
これはトラブルとは少し意味合いが異なる内容かもしれません。
それ程多くはないと信じたいのですが、中には業者さんを下に見てやり取りをする人がいるようです。
「業者なんだからこれくらい対応して当たり前」だとか「安くない金払ってんだからこれくらい対応しろよ!」といった口には出さずとも態度に見え隠れしている、自己の意識がお客「様」になってしまっているという方がいるようです。
「そんなことはない」と思ってはいても中にはこのような事をしてしまう人もいるのではないでしょうか。
- 過度の相見積もり
- 過度の値引き交渉
- 言った言わないを繰り返す
- 決めたことを何度も覆す
- 無茶な工期
- サービス工事の強要
- (必要以上の)知ったかぶり
これらは業者さんのやる気を削ぐだけでなく工事の品質にも影響します。
なぜなら業者さんも「人」だから。
快く思えない相手の工事には力が入りません。
と言っても、まともな業者さんであればそこで「意図的に手を抜く」といったことは当然しません。
それでも問題の無い範囲で「こんなもんでいいか」という風になってしまいます。
そして表面上はニコニコ対応していてくれていたとしても、2度と仕事を受けてはくれないかもしれません。
業者さんのやる気をそぐ行為について、もう少し深く解説した嫌な顧客は切られる?|塗装業者のやる気を削ぐ嫌われるお客様7選という記事もあります。
よかったらこちらもどうぞ!
工事中・工事後のトラブル
先ほどは工事の請負に関する部分で発生しうるトラブルについて紹介しましたが、こちらは工事期間中や工事後に発生する可能性があるトラブルについて紹介します。
塗装をはじめ建築に関連する工事というのは周囲に与える影響が少なくありません。
だからあらかじめ業者さんとはよく話をしておき、自分や周囲に与える影響を把握して置く必要があります。
業者さんに任せきりは楽かもしれませんが、問題が発生してから「○○しておけば良かった」などということにもなりかねません。
できる範囲で業者さんに協力する体制を撮るようにしておきましょう。
自分(客側)、業者間でのトラブル
まずは自分(客側)と業者さんとの間で発生することがあるトラブルです。
- 作業範囲の確認不足(どこを塗るのか)
- 仕上がり(塗装の色・塗り残し・むら)
- 施工不良(塗装の剥がれ・雨漏り)
- 工期延長(からの金額上乗せ)
この中で私たちお客さん側が何とかできるのは作業範囲の確認と仕上がり確認でしょうか。
作業範囲についてはお客さん側はとにかく全て塗ってくれると思っていたのに業者さん側は「○○は今回大丈夫そうだから除外」して見積に考慮していないなんてことが割とあります。
それが仕上がってきたときに○○は何で塗っていないのかと揉めごとになったりするわけです。
見積に記載がなければ業者さん側にそう言い切られてしまう可能性もありますので、何をして何をしないのかを明確にしてもらう必要があります。
そして仕上がり自体もしっかり確認しておく必要があります。
あとから気がついて業者さんに言ってもやっぱり揉めごとになってしまいます。
足場撤去前にその場で指摘するのであれば、すぐ修正が効くものすくなくありません。
でも、人のやることだからどんな凄い職人さんでも「絶対」はないよ。
施工不良や工期延長は正直なところお客さん側にできることはほとんどありません。
施工不良は信頼できる業者さんを選ぶしか消費者には方法がありません。
工期延長は悪天候などの理由で割と可能性があることです。
これについては本当に運ですね。
余談ですが工期延長で追加請求をしてくる事例があるそうです。
これは本当に業者選定を失敗したと言えると思います。
工期延長なんていうのはお客さん側の過失は基本的に無いわけですから、それで追加請求をされることは通常考えられません。
工事のトラブル対策(対自分)
任せきりにしないで自分でもしっかりチェック
近所の人(近隣)との間で発生するトラブル
次に近隣、近所の人との間で発生する可能性があるトラブルです。
- 近隣挨拶
- 車の出入り
- 作業音・声
- 作業時間(開始・終了)
- 車などに汚れよけの養生(保護)シート:嫌がる人もいる
塗装を含む建築に関連する工事は近隣の人からすれば常に音が聞こえたり、知らない人が周囲を歩き回ったりとそこそこ迷惑なものです。
基本的には業者さんが工事前にお知らせを兼ねた挨拶回りをしてくれるはずですが、それでも問題が発生することもあります。
例えば建築に関連する工事は8時ごろから始めることが割と普通のことだったりします。
8時ごろから車がやってきて、人の声がし始め、作業音がするというのは結構うるさく感じるものです。
でも工事をする人たちからすればそれが普通です。
その感覚の違いがトラブルになったりします。
これについては業者さんの近隣対策の力量が問われるところです。
この辺については別の記事で詳しく解説していきます。
工事のトラブル対策(対近隣)
業者さんがどれだけ近隣の人に気をつかえるかがカギ
共通(自分・近隣)のトラブル
次は自分・近隣とどちらにも発生することがあるトラブルです。
塗装工事をする上で避けられないのが臭いや塗料・水の跳ねなどの問題です。
実際に発生する可能性があるのはこんな感じです。
- 臭いで気分が悪くなる
- 洗浄水(汚れや水しぶき)で何かが汚れる
- 塗料の跳ね・飛散が落ちない
- 作業に関わるゴミ
塗装をするためには塗料を使います。
最近は臭気に配慮された製品もありますが、それでも塗料というのはやっぱり臭います。
嫌な臭いをずっと嗅ぎ続けると人によっては頭痛がしたり気分が悪くなったりします。
塗装というのは大量の塗料を使いますので、周囲にもそれなりの影響を与えることを覚えておく必要があります。
とはいえ、途中で止めるわけにもいきませんから近隣の人には理解を得られるように話をし、自分が辛いのは我慢するしかありません。
どうしても耐えられない場合は買い物やカフェなど、外出する時間を多くする工夫も必要かもしれません。
また、洗浄水や塗料が付いてしまうと簡単には落ちずトラブルになります。
基本的には業者さんがクリーニング代や製品代の弁償といった負担をすることになりますが、お金で感情の部分まで解決できるとは限りません。
場合によっては相手方に出向く必要もあるかもしれません。
工事のトラブル対策(対自分・近隣)
業者さんがどれだけ近隣の人に気をつかえるかがカギ
自分は基本的には我慢!
まとめ:外壁塗装でよく起きるトラブルとその解決法
今回は外壁塗装に関わるトラブルについて解説してきました。
トラブルの可能性を事前にどれだけ無くせるかで、工事がどの程度スムーズに進むかが決まります。
契約前に業者さんとのやりとりをスムーズにするためには、やっぱり相応の知識を持っておく必要があります。
そして工事中は業者さんの「近所の人への対応が上手」である必要があるし、お客さん側である私たちもそれに協力する必要があります。
今回覚えておくこと
そもそも飛び込み営業では契約しない
一括見積サイトを利用する前に情報収集をして自衛が必要
業者さんから貰う見積は「やること」「やらないこと」の記載して貰う
工事に関して業者さんに任せきりにしないで自分でもしっかりチェックをする
業者さんが近隣対応がどの程度できるか見極める
これらを意識しているだけで工事はだいぶスムーズに進むはずです。
もっとも、優秀な業者さんなら本当に任せきりで何もせずとも全て滞りなく済ませてくれるでしょうが。
今回は以上になります。
引き続き頑張って情報発信していきますのでよろしくお願いします!